Jun 13, 2016

Takahiro コーヒードリップポット


アンジェ河原町店では2009年12月より、「Café Fika」というお勧めのコーヒー豆を月替りで紹介するイベントを開催しています。京都、大阪をはじめ、愛知や島根、福岡、北海道‥全国から自信を持ってお勧めできる珈琲豆店を紹介しています。まずは飲んでみて納得をし、焙煎家さんと相談を重ね、吟味した豆が届きます。売場に広がる良い香りとともに、毎月来て下さるたくさんのお客様の顔がおひとりおひとり頭に浮かびます。

いまや珈琲大好き人間、ずっとCafé Fikaを担当している私ですが、学生時代珈琲はほとんど飲めませんでした。飲んでもカフェオレ、ブラックなんてとんでもない、と思っていました。でも、出会いは突然あるもので、その頃住んでいた家の近くに今では全国区になった、当時は小さな珈琲豆店があり、そこでお勧めされて飲んだ「ホンジュラス・エルサウセ」という豆が私の珈琲ライフを変えてくれました。

それ以来、アンジェで働き始めたことも手伝って、少しづつ珈琲をいれるための道具を増やしてゆき、豆も器具も色々と楽しむようになりました。最初は陶器のドリッパーに月兎のポット、ポーレックスのセラミックコーヒーミルでせっせと豆を挽き、それで充分楽しんでいました。プレスを試してみたり、ネルを使ってみたり、毎日手で挽くのは大変と、カリタのナイスカットミルも入手。欲はどんどん出てくるもので、一通り持ってはいても、店頭にあるTakahiro コーヒードリップポットが欲しくて、悩む日々が続きます。

金属加工品の産地として言わずと知れた新潟県燕市でひとつひとつ丁寧に作られているタカヒロのステンレス製ドリップポット。その注ぎ口は絶妙な形で、本体から注ぎ口までが均一な太さでできている為、思うままにドリップをすることができます。持ち手は空洞になっているので熱が伝わりにくく、別のやかんで沸かしたお湯を注いでドリップする分にはミトンなしで使えます。鮮度がよく、挽きたての豆はむくむくと面白いほど膨らみます。その時間をより楽しくしてくれる、機能性も見た目も完璧なポットです。

ドリップできる月兎は持っているし、高価だし‥。でもある日、お客様が勇気を下さいます。その方はフォーマルなワンピースを着ておられ、タカヒロのポットを悩まれていました。お声かけをしたところ、すぐに購入を決めて下さいました。お会計の際、お客様はとても嬉しそうに、「今日は娘の卒業式なんです。だから何か、記念に残るものが欲しくって」と仰いました。私はとても嬉しくなって、なんだか泣きそうになりました。
人生の節目に、ずっと使える大切にしていきたいものを手に入れる、なんて素敵なことだろうと思い、私も真似をさせていただきました。


朝は洋食なので毎日コーヒーをいれます。休日は昼や夜にも。夜のコーヒーのカフェインが気になる方、夜は深煎りがお勧めですよ。アンジェの近くのお店の女性店主が夜に飲みたいけど眠れない、みたいな話をしていた私たちに、深煎りの豆はカフェインが少ないと教えてくれました。美味しいコーヒーをいれるコツを京都の老舗喫茶店の店主に聞いてみたこともあります。コーヒーにはまり始めた随分前、張り切っていた頃。その時に教えてもらったコツ、とても簡単なことでしたが、美味しく入り、今も私のベースになっています。

私がコーヒーにはまった豆、ホンジュラス・エルサウセ、そのお店に行っても、同じ名前のものを見つけても、もう同じ豆を買うことはできません。同じ産地、焙煎家であっても、年によって収穫内容は変わり、味も違うそうです。奥が深いコーヒー、これというものに出会えた時は本当に嬉しくなります。タカヒロのステンレス製ドリップポットは間違いなく、そんなコーヒーライフを楽しくしてくれる、ずっと共に過ごしていきたくなる名品です。

タカヒロコーヒードリップポット
0.5L (2〜4杯用) ¥11500+税 / 0.9L (5〜7杯用) ¥11750+税


取扱店:
アンジェ 河原町店、梅田店、新宿店、烏丸店、武蔵小杉、エキスポ店 
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